川柳徒然草

清貧ですと見栄張りながら宝くじ

’清貧’ という言葉が、注目された時期があった。清貧とは、貧乏だが、心が清らかで行ないが潔白であることということで、多くを求めず、貧乏に安んじていることを表している。所有に対する欲望を制限することにより、精神的な豊かさを生み出すという、...
川柳徒然草

突き抜けて上にも申す「申」の意気

‘申’という字の‘もうす’は、説明するとか述べるなどの意味を持つ。 より正確に言うと、下の者が上の者にものを言うときや、してさし上げるということで、他人に何かをすることのへりくだった言い方に使われる。 ‘申’の字は、稲...
川柳徒然草

たらればが歴女の夢を膨らます

‘歴史’は面白い。 歴史をそのまま知ることは、過去の様々な行為の結果を知ることであり、今置かれている現実に対する重要な判断材料になる。 近年は歴史好きの女性が増えて、’歴女’と言われている。 テレビ番組にも、様々な切り口...
川柳徒然草

野仏に日傘差しかけバスを待つ

’野仏’は、地方都市の町はずれでよく見かける。野仏がたたずんでいるような場所では、バスはめったに来ない。たまに来るバスに乗るため、田舎の人は早めに来て待っている。屋根も無いバス停で、老婆がお地蔵さんに日傘をさしかけているのを見ると、「日本...
川柳徒然草

軽はずみなことはよせよと屋台酒

屋台では、あまり深刻な相談事は出ない。 したがって、アドバイスも気楽なものになる。 「まあまあ」か「軽はずみはよせ」程度のもので済む。 軽はずみとは、よく考えないで行動したり、ものを言ったりすることであり、言動の軽々しい...
川柳徒然草

弘法は字の誤りに筆を投げ

「弘法も筆の誤り」ということわざがある。 弘法大師は、日本の書道史上の最も優れた、平安時代初期の‘三筆’の一人である。 平安時代末期の『今昔物語集』巻十一の第九話に「亦、応天門ノ額打付テ後、是ヲ見ルニ、初ノ字ノ点既ニ落失タリ」...
川柳徒然草

オセロでもむきになるので嫌われる

オセロだって、負けるのは嫌だからついむきになってしまう。 オセロゲームは、日本で考案され世界に普及したゲームである。 元々、19世紀にイギリスで考案されたリバーシというゲームを、ボードゲーム研究家・長谷川五郎氏が、19...
川柳徒然草

酔うほどに野性がにやり顔を出す

酔うと、隠れていた人間性が顔を出す。 泣き上戸とか笑い上戸程度であれば、周囲にあまり迷惑はかけない。 やたら説教をする人がいる。 本人は親切で言っているのだろうが、自分でも気が付いていることを繰り返し指摘されると、いい気...
川柳徒然草

良心が少し有るので野に下る

野に下がる、は‘やに下る’と読む。 下野(げや)する、と同じ意味だ。 野を‘や’と読むのは、野という文字がもともとは朝廷に対する民間の事を指していたからである。 したがって、野に下るということは、官職に就いていたものが退...
川柳徒然草

胸のうち見透かすような仁王の目

仁王像と言えば、東大寺南大門の金剛力士像を思い出す。 運慶と快慶が造った2体の仁王像は、門の真ん中に立つと、どちらの仁王像からも睨まれているように配置されている。 ’仁王’は二体で一対ということから、二王(仁王)と呼ば...
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