川柳徒然草

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あっけらかんと地獄を巡るバスツアー

「地獄めぐり」は、別府市が有名だ。 約1200~1300年前の奈良時代初期『豊後風土記』に、噴気・熱泥・熱湯などが噴出して、近寄ることもできない忌み嫌われた土地と記されている。 色の違う温泉が湧き出る様子が書かれており、当時は...
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華やかな舞台の隅の馬の脚

「馬の足」は、歌舞伎から出た言葉で、馬の脚を演じる役者の事である。 主に、下級の役者がつとめるところから、下級俳優やへたな役者のことをいう。 馬の足役は、張り子の馬を二人でかぶって、前足と後足になる。 前足の役者...
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花らしい名前が欲しいイヌフグリ

牧野富太郎博士は、たくさん花に名前を付けている。中には、’イヌフグリ’という植物もある。 ‘イヌフグリ’は、昔、ふつうにみられた野草である。現在は環境省レッドデータブックの「絶滅危惧種Ⅱ類」に指定されている。春先に5ミリ足らずの、薄...
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攻めて攻めて攻め抜いた末うっちゃられ

相撲の「うっちゃり」は、土俵際の逆転技である。 土俵際まで寄られた、または土俵際で吊り出されそうになった力士が、体を捻って相手力士を土俵の外へ投げるものである。 ファンの好きな技でTOP3に入る人気の技だ。 大鵬...
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苦しさを逃れるために馬鹿笑い

哲学者・アランは「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ」と語っている。人は幸せな状況にあるから笑うのではなく、笑うからこそ、幸せが生ずるということである。 アランは、喜びも悲しみも上機嫌も不機嫌も伝染する、したがって、幸福に...
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仲裁者頃合いを見て顔を出す

社会生活を送る以上人間関係で、何らかのトラブルに巻き込まれることは避けられない。 子供の世界では、’いじめ’問題が、人間関係の最大のトラブルだろう。いじめ研究家の森田洋司氏によると、いじめには四層構造が有るようだ。「いじめっ子」「い...
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帆掛け船次は鶴へと早変わり

折り紙は、海外でも「ORIGAMI」と表記される。 折り紙は、和紙を手づから折り目正しく折り、心を込めて物を包み渡すという、‘折紙礼法’が基にある。 室町時代以降、600年以上の歴史を持つ日本の由緒正しき‘礼法’の一つ...
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早急に善処しますと口ばかり

「霞が関文学」という分野がある。最近は、永田町文学とも言われる。言質をとられない言い方、柔軟な解釈が可能で、後々逃げることができるようなあいまいな話法や文章を特徴としている。政界や官界で、各方面の顔を立てる、あるいは責任逃れをするためのも...
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円空は木っ端削ってが仏生む

円空の「木っ端仏」を見ていると、きちんと仏の姿が浮かぶ。一刀彫という、鉈一本で彫られた像と伝えられている。 材料となった木片は、二体の仁王像を彫った残りの木片である。 木っ端の中に「仏」を見て彫っている。
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攻めあぐね作戦変更ほめ殺し

作家の村上春樹は、「褒め殺しがいちばん怖い」と語っている。   ほめ殺しとは、対象をほめたことで、その相手がだめになってしまうことを指していた。 後に、ライバルをつぶすために、過剰にほめ上げて増長させ、大きなスキャンダルや不祥...
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