川柳徒然草

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攻めて攻めて攻め抜いた末うっちゃられ

相撲の「うっちゃり」は、土俵際の逆転技である。 土俵際まで寄られた、または土俵際で吊り出されそうになった力士が、体を捻って相手力士を土俵の外へ投げるものである。 ファンの好きな技でTOP3に入る人気の技だ。 大鵬...
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苦しさを逃れるために馬鹿笑い

哲学者・アランは「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ」と語っている。人は幸せな状況にあるから笑うのではなく、笑うからこそ、幸せが生ずるということである。 アランは、喜びも悲しみも上機嫌も不機嫌も伝染する、したがって、幸福に...
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仲裁者頃合いを見て顔を出す

社会生活を送る以上人間関係で、何らかのトラブルに巻き込まれることは避けられない。 子供の世界では、’いじめ’問題が、人間関係の最大のトラブルだろう。いじめ研究家の森田洋司氏によると、いじめには四層構造が有るようだ。「いじめっ子」「い...
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帆掛け船次は鶴へと早変わり

折り紙は、海外でも「ORIGAMI」と表記される。 折り紙は、和紙を手づから折り目正しく折り、心を込めて物を包み渡すという、‘折紙礼法’が基にある。 室町時代以降、600年以上の歴史を持つ日本の由緒正しき‘礼法’の一つ...
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早急に善処しますと口ばかり

「霞が関文学」という分野がある。最近は、永田町文学とも言われる。言質をとられない言い方、柔軟な解釈が可能で、後々逃げることができるようなあいまいな話法や文章を特徴としている。政界や官界で、各方面の顔を立てる、あるいは責任逃れをするためのも...
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円空は木っ端削ってが仏生む

円空の「木っ端仏」を見ていると、きちんと仏の姿が浮かぶ。一刀彫という、鉈一本で彫られた像と伝えられている。 材料となった木片は、二体の仁王像を彫った残りの木片である。 木っ端の中に「仏」を見て彫っている。
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攻めあぐね作戦変更ほめ殺し

作家の村上春樹は、「褒め殺しがいちばん怖い」と語っている。   ほめ殺しとは、対象をほめたことで、その相手がだめになってしまうことを指していた。 後に、ライバルをつぶすために、過剰にほめ上げて増長させ、大きなスキャンダルや不祥...
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明日健診宴の隅の一人酒

健康診断の受診率向上のため、厚生労働省も相当工夫しているようだ。 受診率向上を呼び掛けるため、各自治体向けに「明日から使えるナッジ理論」というパンフレットを出している。 ナッジ理論とは、ちょっとしたきっかけを与えて、行動を起こ...
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尻馬にすぐに乗るから笑われる

「尻馬に乗る」ということわざがある。 無批判に他人の言動に便乗して、軽はずみな行動をすることだ。自ら判断することをやめ、人任せにした状態である。 「尻馬」とは、人が乗っている馬の後部、またはそこに乗ることであり、前を行く馬の後...
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にごり眼で世間見るから薄暗い

「目は心の窓である」とプラトンが言っている。 目を見ればその人がどのような人間なのかがわかる。 目は、心の‘構造’を表すと同時に、‘状態’も表している。 子供たちの目は、澄んでキラキラしている。それは、心が清らかだからで...
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