川柳徒然草

川柳徒然草

明日健診宴の隅の一人酒

健康診断の受診率向上のため、厚生労働省も相当工夫しているようだ。 受診率向上を呼び掛けるため、各自治体向けに「明日から使えるナッジ理論」というパンフレットを出している。 ナッジ理論とは、ちょっとしたきっかけを与えて、行動を起こ...
川柳徒然草

尻馬にすぐに乗るから笑われる

「尻馬に乗る」ということわざがある。 無批判に他人の言動に便乗して、軽はずみな行動をすることだ。自ら判断することをやめ、人任せにした状態である。 「尻馬」とは、人が乗っている馬の後部、またはそこに乗ることであり、前を行く馬の後...
川柳徒然草

にごり眼で世間見るから薄暗い

「目は心の窓である」とプラトンが言っている。 目を見ればその人がどのような人間なのかがわかる。 目は、心の‘構造’を表すと同時に、‘状態’も表している。 子供たちの目は、澄んでキラキラしている。それは、心が清らかだからで...
川柳徒然草

尻に火がついて慌てて神頼み

「尻に火が付く」という言葉をよく聞く。 行動心理学に、行動遅延傾向という言葉がある。 やらなければならない課題や仕事を、ぎりぎりになるまでやらないで放っておいたり、そのために完成できなかったりすることである。 つまり、‘...
川柳徒然草

華やかに見えて影持つ曼珠沙華

曼殊沙華という文字を見ると、華やかさを感じるが、彼岸花というと暗いイメージを想定する。 洋名では、リコリスという名で、町の花屋で普通に売られている。 少年時代に読んだ、北原白秋の詩集『思ひ出』の中の作品の、のちに山田耕...
川柳徒然草

蒔いた種思うほどには花咲かず

「蒔かぬ種は生えぬ」とは、原因がないのに結果が生じることはないという例えである。‘因果応報’という言葉もある。よい行いをすればよい結果が生まれ、悪い行いをすれば悪い結果が返ってくるということである。仏教では、結果も大切にするが、それ以上に...
川柳徒然草

清貧ですと見栄張りながら宝くじ

’清貧’ という言葉が、注目された時期があった。清貧とは、貧乏だが、心が清らかで行ないが潔白であることということで、多くを求めず、貧乏に安んじていることを表している。所有に対する欲望を制限することにより、精神的な豊かさを生み出すという、...
川柳徒然草

突き抜けて上にも申す「申」の意気

‘申’という字の‘もうす’は、説明するとか述べるなどの意味を持つ。 より正確に言うと、下の者が上の者にものを言うときや、してさし上げるということで、他人に何かをすることのへりくだった言い方に使われる。 ‘申’の字は、稲...
川柳徒然草

たらればが歴女の夢を膨らます

‘歴史’は面白い。 歴史をそのまま知ることは、過去の様々な行為の結果を知ることであり、今置かれている現実に対する重要な判断材料になる。 近年は歴史好きの女性が増えて、’歴女’と言われている。 テレビ番組にも、様々な切り口...
川柳徒然草

野仏に日傘差しかけバスを待つ

’野仏’は、地方都市の町はずれでよく見かける。野仏がたたずんでいるような場所では、バスはめったに来ない。たまに来るバスに乗るため、田舎の人は早めに来て待っている。屋根も無いバス停で、老婆がお地蔵さんに日傘をさしかけているのを見ると、「日本...
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました