川柳徒然草

川柳徒然草

見上げたらきりが無いから下を見る

一億総中流、と言われた時代があった。 最近は自分を、中流と思わない人が増えているそうだ。 「世界価値観調査」というのが1981年から行われている。 その中で、自分の生活レベルについて、「上」と回答した者が多い国は...
川柳徒然草

千両役者背中で見せる名場面

名優は、’背中で演技する’と言われる。 歌舞伎の「敦盛」で、身代わりとした息子・小次郎の首を前に、父の熊谷直実が背中で悲しさを見せながら、口頭では手柄として報告する場面の団十郎や幸四郎の演技には、素人目にも揺れている気持ちが...
川柳徒然草

マイナスの裏に隠れたプラス有る

欠点は克服したほうがいいのか、目をつぶり長所を伸ばすべきか、で悩んでいる人は多い。文芸評論家・亀井勝一郎は「すべての欠点は長所にむすびついている」と言っている。 脳科学者・茂木 健一郎は「自分の最大の欠点のすぐそばに最大の長所がある...
川柳徒然草

太平を当たり前だと平和ボケ

歴史的にみても、永遠の平和などありえない。 わが国は世界を相手にして戦った無謀な戦争体験を経て、すでに七十年以上たった。 その間、幸いにも大きな戦争に、直接巻き込まれることもなく、’太平’の世を過ごしてきた。 ...
川柳徒然草

鷹のひな俺はタカだという目つき

孵ったばかりの、鷹の雛を見た。まだ充分羽根も生えてないが、近づいてくるカメラの気配に威嚇をする目つきは、充分鷹の目だった。 まだ巣の中にいる鷹の雛は、’巣鷹’と言って、これを捕えて鷹狩用に飼育した。巣立ち前後の雛は人になれやすく,野...
川柳徒然草

ねじれ頭の釘で真っ直ぐ打ち込めぬ

くぎを真っすぐ打つのは、意外に難しい。 金づちは、平らな面を使う。丸くなっている方は、最後にしっかり、釘の頭を打ち込むためのものだ。 叩き方は、ひじから手首までは出来るだけ動かさずに、手首のスナップを利かせて使う。 金槌...
川柳徒然草

裏ばかり読んで表をつい忘れ

表があれば、必ず裏がある。世の中のすべてがそうだと思う。裏から見ると、異なる姿が見えてくる。それが真なのかどうかは、定かではない。 デジタル大辞泉で「裏」の項目を見たら面白いというか、なるほどという解説がしてあった。最初に掲げられて...
川柳徒然草

渡る世間鬼が時々顔を出す

’渡る世間に鬼はない’ということわざがある。 世の中は殺伐としていて、無慈悲な人ばかりであるようにも思われがちだが、実際のところは鬼のような無情の者ばかりではなく、情け深い優しい人だってたくさんいる、ということを表している。 ...
川柳徒然草

余生とは言えぬやりたいことばかり

人生も終盤近くなると、余生を楽しむという言葉を耳にすることが多くなる。 余生とは、盛りの時期を過ぎた残りの生涯とか、残された人生という意味だという。 この言葉には、人生の残りをのんびり過ごしてゆくような響きがある。 ...
川柳徒然草

作兵衛が記憶を創る炭鉱(ヤマ)のまち

日本で初めて、ユネスコ記憶遺産(世界の記憶)の登録を受けた 山本作兵衛は、福岡県出身の炭鉱労働者、炭鉱記録画家である。 筑豊各地で働きながら、日記や手帳に炭鉱の記録を残し、60代半ばから「子や孫に炭鉱(ヤマ)の生活や人情を残したい」...
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました