’まあまあ’は、便利な言葉であり不思議な言葉である。
十分ではないが、一応は満足できる状態を示す場合がある。‘そこそこ’の評価を与えている場合だ。
十点ではないが、七点くらいはありそうだ。
儲かりまっか?の問いに、‘ぼちぼち’でんな、と応える大阪商人のやり取りみたいなものだ。
とりあえず、の意味で使われることもある。
何かをすすめる場合に、「あいさつはあとにして、まあまあ……」などと使われる。驚いたときや、意外な気持ちを表すために使うこともある。
‘あらあら’とか、‘おやおや’と同じ使い方になる。
怒っている人を、落ち着かせようとしたり、なだめるときにもよく使われる。
この時の‘まあまあ’は、落ち着いて落ち着いて、という掛け声のようなものなのだが、この‘まあ’が何を意味するのかよく分からない。
場合によっては、ごまかそうとしていると感じさせることがあり、かえって、火に油をすすぐことにもなりかねない。
しかし、とにかくなだめようとしたときには、つい‘まあまあ’と声に出てしまう。大体何とか収まるのだから、不思議な言葉である。
一種の呪文みたいに感じる。
宥められた方は、この‘まあまあ’を、どういう意味に捉えたのか知りたいのだが、キチンした研究は見当たらない。
ものすごくあいまいな言葉だが、それで世の中が平穏に動いているのだから、‘まあまあ’いいか。