滑らかに団扇が舞って祭り更け

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祭りには、団扇がつきものだ。

輪になって、あるいは列になって踊っている踊り子の手元には、必ず団扇がある。

団扇は、もとも‘あおぐ’ためより‘はらう’とか‘かざす’役割のものだった。

もともとは、翳(さしば)といい、高位の人物が外出する際、従者がさしかざして、その人の顔を隠すための、長柄の団扇からきている。

中国では漢代以後に用いられ、日本には古墳時代に伝来した。

室町時代の末頃、竹骨と紙を素材とする軽くて扇部がへたらない構造の現在の形となった。

江戸時代に入り、町人文化が花開くとともに、様々な場面に普及した。

羽を使って、ハエや蚊などの害や病魔などの害を打ち払うという意味から、‘打ち’という言葉と、その道具である‘羽’を組み合わせて‘打ち羽(うちわ)’となったことが語源とも言われている。

「左うちわ」という言葉は、何の心配や不安もなく、豊かで気楽な生活を送る様子を指す。

これは、右利きを前提として、利き手でない左手でゆったりうちわを扇ぐ様子が、仕事などに追われない時間や生活を送っているように見えることから、使われるようになった。

左利きの割合は、全人口の約10%だといわれている。

約6万年前から、10%という現在の水準に落ち着き、時代、性別、人種を超えて10%の割合を保ち続けている。

左うちわの中には、特にゆったりしているわけではなく、左利きの人も混じっているようだ。

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