白バイにぴったり付けられると、交通違反はしてないつもりでも、気持ちの良いものではない。
秋の夕方、観光地の旅館に向かって車を走らせていた。
ふと気が付くと、いつのまにか、白バイが後ろにくっついている。
ほとんど車も通らない道なので、スピード違反でもしそうだと思われたのだろう。運転席からは見えにくい位置に、白バイにぴったりくっついてきたら、妙に気になる。
もともと飛ばす方じゃないが、一段と慎重な運転になった。
しばらく追走されたが、スピード違反をしそうにないので安心したのか、違反切符を切る見込みがないのであきらめたのか、白バイはそのまま行ってしまった。
気になったので、白バイがスピード違反者を取り締まる方法を調べてみた。
白バイがスピード違反車を見つけた際には、その後ろを等間隔で走り続け、そのときの自車のスピードを違反速度として記録する、「追尾式」という方法がとられている。
簡単に言えば、違反したクルマのうしろを同じスピードで走り、それを記録するということだ。
記録するのは、デジタル式のストップメーターである。
警察官が「等間隔で走った」と判断した時点でボタンを押すと、プリンターにその時点のスピードが印字され、スピード違反の記録となる。
等間隔で走る‘距離’は、高速道路では約50mの車間を保持し、約300mを追尾、一般道では約30m間隔で約100m追尾することになっているらしい。
実際に白バイがスピード違反を取り締まるには、赤色灯を点けて追尾しなければならないので、追尾してスピードを測定するにはそれなりの時間が必要である。
その間、ドライバーに気づかれないように、車の死角に入って追尾するのだから、白バイ警官の腕は確かだ。
免許証を返納したので、もう車を運転することは無いし、スピード違反の取り締まりも怖くない。