居直ればゆうゆう長生きできるかな

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長生きしようと思ったら、面倒なことには図太く対処していくに限る。
積極的な、居直りである。

しかし、世間には、面倒なことが溢れている。
いちいち真に受けていたら、神経をやられてしまいかねない。
したがって、’居直り’を正当化して対処しなければならなくなる。

ところで、居直るという言葉は、急に態度を変えるという意味で、不利な立場にある者が、急に脅すような強い態度に出る意味で用いられることが多い。
現在使われているのは、‘ひらきなおる’という言葉と同じものになっている。

本来の‘居直る’は、座り直して姿勢を正す、という意味であり、 ’居ずまいを正す’と同義である。
‘居ずまいを正す’は、座っている姿勢をきちんとした姿勢に直すことである。
あらたまる様子を表す際の、表現として用いられることが多い。
‘居住まい’とは、住居の中に坐っている様子だが、これを直(ただ)すということは、きちんと正座しなおすということになる。

正座は、‘居ずまいを正す’という感覚にピッタリの形だと言える。
正座は、身体にとって自然な姿勢ではない。
この姿勢は、自分自身の身心を律する心構えを形で示すと同時に、他者に対する礼儀正しさをも表現している。
したがって、単に坐っている姿勢を改めるだけなく、生活の心構えを改めるという意味にも通じる。

何かを行う前に、ひとつ呼吸を整え姿勢を正す、すなわち‘居住まいを正す’ことは、多くの場面で大切にされてきた所作である。

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