悪筆は許すが乱筆許さない

川柳徒然草
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’悪筆’で悩んでいる人は多い。
悪筆とは、字を書くのが苦手であり下手な人である。
大体かなり読みにくい。
多くの場合、書いた人自身にしか読めない。

悪筆家では、早稲田大学創立者の大隈重信が有名である。
彼は、生涯字を書かないと誓っていたが、閣僚になった時にはさすがに署名しなければならず、それが公開されているが、間違いなく悪筆だと思う。

’乱筆’は、文字を乱暴に書きなぐることであり、いわば心がけの問題である。
悪筆は、生来の物だから許せるが、乱筆はいい加減な精神状態がうかがわれて、許せない。

太宰治に、手紙のやり取りだけで構成された作品『虚構の春』がある。
その中に、太宰治から出された手紙の結語として、‘乱筆乱文多謝’と書かれていた
なぜ乱筆乱文を‘感謝’するのかわからない。

辞書で’多謝‘を引いてみた。
字の通り、深い感謝という意味だった。
色々調べてやっとわかったのは、‘乱筆多罪’というのは、もともと手紙などで無礼や過失をわびるのに用いる言葉だったようだ。

それを、太宰治が誤用したらしい。
間違いがそのまま世間に認知されて今も通じているのだから、やはり文豪と言われるだけあって太宰治はすごい。

ところで、もし悪筆で悩んでいても、乱筆と思われないように丁寧に書くよう心掛けたい。
そうすれば、心は伝わるだろう。

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