へらを打ち名を捨て実を取りに行く

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「へらを打つ」という言葉がある。
話を合わせるということで、こちらの考えは脇に置いて、相手の話す内容に同調するという意味である。
だらしなくあいまいに笑うさまを「へらへら笑う」と言うが、この意味も込められているようだ。

「へら」という言葉は、調べてみると結構面白い。
「へらを使う」という表現がある。漢字で書くと「篦を使う」となる。
へら(篦)とは、薄く扁平になった道具の総称であり、調理器具 · ‎工具 · ‎裁縫道具などに使われている。
塗るのにもはがすのにも使用するところから、どちらつかずのあいまいな言い逃れをすることの例えに使われる。

名声や体裁は敢えて顧みずに、内容や利益などの実利獲得を優先することを、「名を捨てて実を取る」と表現する。
名誉や体裁を犠牲にして、’名’を捨てるのだから、それなりの覚悟がいる。
相手に花を持たせなければならない
そのためには、自分の腹の中は隠して、相手にへらへら笑いで迎合するのが手っ取り早い
そうしてでも実利が取れたら、世渡りという意味では成功と言えるだろう。

「名を取るよりも徳を取れ」ということわざもあるが、理想論である。
実情に見合わない、世間体のいい、その場だけの取り繕った行動や言葉を綺麗ごとというが、そんな‘綺麗ごと’だけでは渡れるほど、世の中は甘くない。

‘へらをうつ’ことで、実利が取れるなら上出来だ

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