透明な水には毒がよく溶ける

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「#水清くして魚棲まず」ということわざがある。

「漢書」「宋名臣言行録」に出てくる文章では、「水至って清ければ、則ち魚なし。

人至って察なれば則ち徒なし」となっている。

あまりにもきれいな水には魚が住めないし、賢くて潔白すぎる人は、仲間がなくなるということである。

瀬戸内海の漁獲量が減少しており、漁業者は困っているそうだ。

原因は、生活排水などで汚染された、瀬戸内海に注ぎ込む川の浄化が急速に進んで貧栄養となり、魚の餌となるプランクトンが減ったために魚が減少してしまったというのである。

もともと海水には60種類以上の元素が溶けこんでおり、地球上に存在するほとんど全ての元素が海水中に溶けて存在している。

水は、様々なものを溶け込ませることができる。

すなわち、透明に近い水は、たとえ毒でも溶け込ませることになる。

水溶液かどうか判断するポイントは、

①溶けた物(溶質)が、目に見えない大きさにまで小さくなっていること

②溶質は、溶液中に均質に広がっていて時間が経過しても沈殿を作らないこと

③液は透明であること

この基準に照らせば、味噌汁や牛乳などは水溶液ではない。

「清濁あわせ飲む」といわれるが、今の時代はこうでなければ生き抜いていけないのかもしれない。

「水清ければ月宿る」ということわざのような、きれいごとだけでは世は渡れないようだ。

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