川柳徒然草

川柳徒然草

だまされぬふりして親は騙される

「おふくろはもったいないが騙しよい」という川柳がある。どら息子から見ると、おふくろを騙すのはたやすいものだろう。もっとも母親の方も、見え見えの嘘を見抜いているが、わずかな真実を見つけて、だまされてないふりをして騙される。 もともと、...
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ウグイスの声に話の腰折られ*

ウグイスは、春告鳥と言われる。オオルリ、コマドリと並んで日本三鳴鳥のひとつである。しかし、鳴き方には上手下手がかなりある。 今年も、梅の花が盛りを過ぎたと思ったら、ウグイスが鳴き始めた。まだ、ケキョケキョの繰り返しだが、間もなくホー...
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たけのこは三日見ぬ間に屋根を超え*

たけのこ料理のレシピが、梅の花が終わる頃には話題に上り始める。たけのこは、季節を強く感じさせる食材の一つである。たけのこで、店頭で目にする機会が最も多いのは、孟宗竹である。孟宗竹は、主に3月初旬~5月中旬が旬だと言われる。淡竹・真竹は、孟...
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秘すれば花と何か有りげなそぶり見せ

「秘すれば花」ということわざがある。室町時代の能の役者・作者、世阿弥が『風姿花伝』に残している言葉である。「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」と後に続く。秘密にすれば花だが、秘密にしないと花にはならない、ということだ。ここでいう’花...
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駆け引きに負け正直とほめられる

駆け引きは、政治の場だけではなく、ビジネスの場でも頻繁に訪れる。 駆け引きは、戦場における作戦上の言葉である。「駆け」は馬に乗って駆けることから敵に向かって攻め進むこと、「引き」は馬の手綱を引くことから退却を意味した。ビジネスの場に...
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メガネかけ少し変身した気分

メガネは視力補正具だが、心理的に変身願望を満たす効果があるといわれている。メガネは、フレーム部分が「仮面」のような役割を果たしているのだろう。 そこで、フレームがその人の性格や願望を表しているのだから、いろいろ分析されている。 ...
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酸っぱ顔見たくて孫に夏みかん

幼児が、酸っぱいものを食べた時に見せる‘酸っぱ顔’はとてもかわいらしい。これが、自分の孫だったら、ジイジやバアバには、たまらない‘幸せ’だろう。 人間は酸っぱいものを食べると、身体によくない危険な毒のようなものと感じるらしい。‘酸っ...
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ファインダー気づかぬ世界を切って見せ

ファインダーで覗くと、まるで異次元のような世界が見えてくる。 接写レンズを付けて撮った写真は、小さな雑草の可憐な花が、クローズアップされる。 恐竜のような、昆虫の姿も見られる。 社会の片隅を切り取った写真は、見慣れた普段...
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思い出の陰の部分は切って捨て

嫌な思い出というのはなかなか忘れられない。 ‘思い出’とその時の‘感情’が、結びついたまま‘記憶’されてしまっているからだ。 感情に関する記憶は、記憶を維持する能力との結びつきが強く忘れづらい。 したがって嫌な思い出は、...
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洗いざらいぶちまけたので酒が効く

栃木県・足利市の最勝寺(大岩毘沙門天)に「悪口(あくたい)まつり」がある。 江戸時代から続く伝統行事だ。 大晦日の晩から元旦の未明にかけて、修験者の法螺貝の音に先導され、1年間積もった鬱憤を「バカヤロー!」などと叫んで発散しな...
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