川柳徒然草

川柳徒然草

ためらい箸が器をめぐる河豚の肝

朝晩冷え込む季節になると、フグがおいしい時期になる。「フグは食いたし命は惜しし」ということわざがあるが、淡白な味だから刺身でもチリでも天ぷらでもイケる。しかし、最近は超高級料理になってしまって、簡単には手が出せない。 フグはテトロド...
川柳徒然草

天下国家論じて眉が吊り上がり

仲間と飲みに行った時の話題は、肩の凝らないものが良い。職場の上司の悪口や、仕事の愚痴なんか聞きたくもない。その点、天下国家を論ずるのは、自分が総理大臣になったようで気分が良い。大体、その時の論議の通り世の中が収まれば、平和と繁栄は間違いな...
川柳徒然草

ファッションと問われ破れたとは言えず

ファッションとは、ある時点において人々の間で流行しているスタイルや風習である。 服装を指す場合が多いが、装身具や美容に関することも含まれる。 ‘ファッショナブル’といった表現があるが、最新または評判の良い様式に沿っていることを...
川柳徒然草

愚図る紳士なだめ写メ撮る七五三

11月15日の‘七五三’が近づくと、各地の神社は着飾った紳士淑女でにぎわう。 七五三は、男の子が3歳と5歳、女の子が3歳と7歳になったお祝いである。 3歳は「髪置(かみおき)の儀」と呼ばれ、男女ともそれまで髪をそり丸坊...
川柳徒然草

ビギナーズラック先輩たちの鼻白む

ビギナーズラックはある。 始めて、ゴルフコースに出た時、いきなりバーディを取った。 何度か行くうちに、ゴルフの難しさが分かるようになり、さっぱり腕が上がらなかった。 最初に釣りに行ったとき、いきなり30センチ以上あるキス...
川柳徒然草

完璧を少し崩して匠技

「完璧」とは、完全で、欠けている点がまったくないことを意味している。 「璧」は、平らで中央に孔のあいた宝玉のことであり、完璧はキズのない玉のことである。 「未完の美」と言う言葉がある。 物は完成した瞬間から崩壊の...
川柳徒然草

破たんした会社に片目のダルマ像

選挙のシーズンになると、多くの選挙事務所に飾られている‘だるま像’が映される。 だるまを飾るのは、厄除けや魔除けとするためか、祈願成就を目的としている。 祈願成就の場合、願いを込める時に、仏像と同じく「開眼(かいげん)」と呼び...
川柳徒然草

無人駅ホームの花が人を待つ

鉄道の旅をしていると、無人駅をよく見かける。 無人駅は、どことなくうらぶれた感じが付きまとい、物寂しい。 国土交通省の集計によると、2020年3月時点では9465駅のうち4564駅 (48.2%)が無人駅ということだ。 ...
川柳徒然草

内緒だと言われて妻にだけ話す

「人の口に戸は立てられぬ」と言うことわざがある。 一方で「世の取り沙汰は人に言わせよ」ということわざもある。 とにかく世間の人は、人のうわさをしたがるものだから、一々気にせずに、言いたい人には言いたいようにさせておく方がよい、...
川柳徒然草

負け犬と言われぬように先に吠え

犬は本来、オオカミと同じように、群れを形成して集団で生活する。 このため主従関係がはっきりしており、強いと認めた相手には逆らわない。 負け犬とは、喧嘩に負けて逃げる犬である。 人間関係においても、強い相手には牙を...
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました