川柳徒然草

ガン告知受けてこっそり隠す過去

秘密を持ったままで、人生を終わりたくない。しかし、誰でも多少の秘密はあるだろう。できれば、それは秘密のままにしておきたい。 いよいよ最後を覚悟した時、秘密を隠さなければという気が起きる。 しかし、その秘密は何だと考えると、大したことも無いようだ。
川柳徒然草

善人だから悪いことには目をつぶる

善人ぶって世の中を渡っているつもりだ。 善人というと、どちらにもいい顔をするとか、他人の評価ばかり気にする、などのイメージが付きまとう。 上っ面の評価では、心にも無いお世辞を言うとか、世渡り上手などといわれる。 ...
川柳徒然草

青猫がさまよう街にネオン消え

萩原朔太郎の詩に「青猫」というのがある。 詩集のタイトルに使ったほどだから、よほど愛着のあった詩だろう。 朔太郎は青猫のことを、英語のblueから「希望なき」「憂鬱なる」「疲労せる」の意味を含んだ、「物憂げなる猫」のことだと、...
川柳徒然草

まだ慾があるので生きていけるかも

高齢になると、枯れてくるものなのかもしれない。無意味に過ごす時間も増えている。ちょっと反省している。 織田信長の頃は‘人生わずか五十年’だったが、今や百年を目指す時代になっている。せめて九十まではまともに体も動き、頭も働いたとすれば...
川柳徒然草

墨痕鮮やか読めない字が躍る

元日の朝、最大の楽しみは年賀状である。 現役を引くと、お付き合いは年賀状だけという相手も増えてくる。 年の初めに、いただいた賀状を見ながら、昔を思い出すのも、新しい年へのアクセルになる。 むかしのように印刷屋に頼...
川柳徒然草

磨いたら値打ちが下がるいぶし銀

いぶし銀という表現がよく使われる。 ベテランの渋い味を表していることが多い。 一見した美しさというより、渋さや奥行きを持っていて‘魅力的な人’という意味に捉えられている。 目立たないが実力があり、しかも縁の下の力持ち的な...
川柳徒然草

円窓を通し世界を丸く見る

禅寺には、円窓がたくさん見られる。「悟りの窓」というらしい。 円窓を通して見える景色は、なんとなく他とは違って見える。 窓越しの庭園を見ると、自然がまるで芸術作品のようだ。 世界を丸い枠で切り取っているのだから、...
川柳徒然草

永遠の平和は無いと知る歴史

戦争の原因の多くは、経済環境にある。 端的に言うと、食えるか食えないかということである。 生存のための、第一の欲求は食欲である。 戦争の多くは、食糧の分捕り合戦から始まっている。 食料の多くは、穀物を中心と...
川柳徒然草

嫌なこと忘れてからはよく眠る

大手術を受けてから、足が冷えてなかなか寝付けないことがある。 冬になると一段と厳しい。 しょうがないので、アンカを入れることにした。 これでだいぶ寝つきは良くなった。 それでも、雑念が頭一杯に浮かんでくると、やはり...
川柳徒然草

垣根越し土産渡して旅話し

旅は、計画する段階、実行の段階、思い出の段階と多様に楽しめる。 計画段階では、見たいもの、食べたいもの、経験したいものなどを思い浮かべて、目的地をあれこれ探す。 いつ行こうか、どういう手段で行こうかなども考えておかなければなら...
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