やっと出たおならを祝う手術明け

この記事は約2分で読めます。

おならをして「おめでとう」と言われるのは、いささか面はゆい。

しかし、腹部手術後の回復過程では重要な出来事のようだ。

手術を受けた後、しきりにガスは出ましたか、と聞かれる。

お腹が張っていても、切り口が気になり息むわけにはいかず、なかなかおならを思い通りに出せないものだ。

やっとガスが出たら、病室の人たちからおめでとうと祝福される。

ナースに報告すると、またおめでとうと言われ、主治医からは、これで一安心ですと言われる。

ちょっと照れ臭い。

手術後に、ガスが出たかどうか確認するのは、腸閉塞が解除されたかどうかを確認するためだそうだ。

腸閉塞とは、なんらかの原因により腸管内容の肛門側への輸送が障害された状態だとされている。

お腹の手術のあとは、消化管の動きが低下することにより、腸管内容物の肛門側への輸送が障害されている。

これを「術後の麻痺性イレウス」といい、腸管内のガスは逃げ場がなくなりガスがたまる状態になる。

ガスがたまると、お腹が張って苦しくなる。

手術後、時間が経過して消化管の動きが改善すると、ガスを肛門側へ押し出すことが可能となる。

傷口の痛みも軽快していて、息むことができるようになることも加わって、「ブッ」とオナラが出せる。

これで、手術後の麻痺性イレウスが、無事に解除されたことになる。

一安心ではあるが、おならで「おめでとう」と言われるのは、妙な気持ちだ。