釣り好きの友達がいると、時々釣りたての魚をいただくことができるのでありがたい。
刺身にして、じっくり晩酌を楽しみ、後日、おいしかったと礼を言えば、すっかり満足してもらえる。
釣り好きのことで、作家の開高健が『オーパ!』で面白いことを紹介している。
中国のふるいことわざに「一時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい。
三日間、幸せになりたかったら結婚しなさい。
八日間、幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい。
永遠に、幸せになりたかったら釣りを覚えなさい。」というものだ。
開高健は、19世紀のイギリスの本で知ったということだ。
このことわざについて、疑問に思った保田和隆さんが、英語のことわざ辞典や英語の辞書等をかなり丹念に調べている。
それによると、「楽しく一月過ごしたい者は湯治に行くがよい。
一年なら結婚、一週間なら豚を殺すがよい。
また、いつも幸せでいたければ牧師になるがよい」とあったそうだ。
さらに調べると、1時間楽しむのは酒、昼寝であり、1日は散髪、結婚は三日からひと月となっている。
一生楽しむには、正直でいるとか誰かを助けるなどと並んで、庭づくりがあり、釣りはごく少数派のようだ。
老子に「授人以魚 不如授人以漁」(人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける)という言葉が有る。
おそらく、これをもとにして創作されたものだろう。