認知症の予防には、日頃から脳の健康状態を良い状態に保つことと、低下しやすい機能を鍛えておくことが重要とされている。
とくに、何かを考えながら体を動かすということは、脳の多くの機能を同時に使うため効果が高いようだ。
例えば、何かを考えながらする‘ながら散歩’は、とても良い運動になる。
昨今ブームになっている俳句も、散歩の途中で題材が豊富に転がっており、四季の移り変わりを楽しみながら、句つくりに挑戦できる。
音楽を聴きながらの散歩は簡単だ。
一人しりとりや暗算などは手っ取り早い。
脳が正しくはたらくためには、絶えず十分な血液が流れている必要がある。
高齢者やアルツハイマー型認知症患者では、大脳皮質や海馬で脳血流の低下がみられる。
この大脳皮質や海馬には、大脳の奥から伸びてきてアセチルコリンという化学物質を放出する神経が来ている。
アセチルコリン神経を活発にすることによって、大脳皮質や海馬のアセチルコリンが増え、脳の内部の血管が広がり、血液の流れが良くなる。
無理のない歩行を行うと、海馬のアセチルコリンが増え、海馬の血流が良くなる。
年相応の物忘れがある程度では、この神経がまだたくさん残っているので、軽い運動によってアセチルコリンを増やすことも可能となる。
まだ時間的な余裕があるようなので、今のうちから‘ながら散歩’でもして、脳を鍛えておこう。