’山勘’というと、あてずっぽうの感じだ。
しかし山勘も、結構当たる。
山勘というと’山師の勘’だが、’直感’というと幾分聞こえが良くなる。
さらに、’神のお告げ’と言われると、少し信じ込みたくもなる。
2011年の、イスラエル・テルアビブ大学の研究では、直感は90%的中していた。
研究を行った教授は、正しい判断を下すときには、直感を信じるべきなのかもしれない、といっている。
しかし、直観を前提とするには、問題を正しく説明したり解決に導くための、多くの経験と知識、理解が必要である。
直感とはこれまで体験した膨大な情報を処理して、正しいものを瞬時に意識に表出させるプロセスといえる。
将棋の羽生名人は「ロジックを積み重ねる地道な訓練を繰り返すうちに、直感的に試合の流れや勝敗の分岐点となる勝負どころ、辿り着くであろう局面が正確に読めるようになった」と語っている。
脳の中には、判断処理のシステムが二つある。
一つは迅速に判断を下す’Xシステム’であり、「直感」を決めている。
もう一つは論理や理性に基づいて、ゆっくりと慎重に判断を下す’Cシステム’である。
Xシステムは、進化的に長い歴史をもつ判断システムである。
進化的に長い歴史をもつとは、直観に従った結果、人類が生き延びる確率が上がった実績のあるシステムである。
つまり、直観によって今の人類がある。
直感を正しいと信じている人は、正しい答えを選んだのではなく、選んだ答えを無理やり正しくしているらしい。
これも、神のお告げが示してくれた方向だろう。