仲裁者頃合いを見て顔を出す

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社会生活を送る以上人間関係で、何らかのトラブルに巻き込まれることは避けられない。

子供の世界では、’いじめ’問題が、人間関係の最大のトラブルだろう。
いじめ研究家の森田洋司氏によると、いじめには四層構造が有るようだ。
「いじめっ子」「いじめられっ子」「観衆」(周りではやし立てる者)「傍観者」(見て見ぬふりする者)の四層である。

厚生労働省の『平成21年度 全国家庭児童調査』によると、いじめを見た時の具体的な行動は以下のようになっている。
「やめろ!と言って止めようとする」  小学校5~6年生23.3% 中学生11.3% 高校生14.2%
「先生に知らせる 」  小小学校5~6年生 49.4% 中学生35.0% 高校生19.3%
「友達に相談する」  小学校5~6年生19.8%  中学生39.5% 高校生46.6%
「別に何もしない」   小学校5~6年生 7.4%  中学生 14.1 % 高校生19.9%

小学校から中学校にかけて、「仲裁者」(止めろと言って止めようとする)と「通報者」(先生に知らせる)が減少し、「傍観者」(別に何もしない)の割合が増えていくことが分かりる。

国立教育政策研究所の、いじめに関する国際比較調査結果も、興味深い。
イギリス、オランダとの比較では、日本以外の2国は、中学生から‘傍観者’の数が減少しているのに対し、日本はむしろ増加している、ということだ。

いじめを減らすためには、「傍観者」を減らし、「通報者」「仲裁者」を増やすことが有効だ、ということになる。