鉄道の旅をしていると、無人駅をよく見かける。
無人駅は、どことなくうらぶれた感じが付きまとい、物寂しい。
国土交通省の集計によると、2020年3月時点では9465駅のうち4564駅 (48.2%)が無人駅ということだ。
そのほかに、時間帯により駅員が不在となる‘時間帯無人駅’もある。
無人駅の管理は、運営会社や地域住民、併設された設備の管理者によって行われる。
半ば放置されている駅もあるが、地域によっては様々に活用されている。
道の駅や公民館・社会教育施設、郵便局、図書館などが知られている。
中には、喫茶店や理髪店、民宿まであるようだ。
そのような中で、時々花いっぱいの駅を見かける。
ほとんどが、地域の人たちのボランティア活動の成果だ。
しかし無人駅では、手入れに手間をかけるわけにはいかないから、比較的手間のかからない多年草が植えられる。
多年草は、花が終わっても枯れることなく、翌年も花を咲かせる。
毎年種から育てる必要がなく、植えっぱなしで季節が来ると花が咲く。
季節になると花を咲かせるものや、長い期間次々と花を咲かせる四季咲きのもので、色や、大きさもまちまちのほうが好まれる。
よく目にするのは、マーガレットやクレマチス、クリスマスローズなどだ。
昔から日本で愛されてきたキキョウも、夏から初秋にかけて星型をした青紫の花を咲かせており、目にすることが多い。
人の手で、美しく守られている無人駅がたくさんある。