値切ったが店主のにやり気にかかる

川柳徒然草
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‘フリー・マーケット’では、’値切る’ということも楽しみの一つとされている。
出品者との、値切る(=価格交渉)の過程そのものが、珍しい商品を見つけることと並んで、楽しみになっているらしい。
しかし、ようやく値切って満足しても、相手の店主の‘にやり’を見るとその満足感が薄れる。

値切りが可能な店は、次のような傾向にある。
1.初めから『頑張りますよ!』という店なら、価格交渉OKであり、店主も交渉に対しやる気満々である。
2.『物によっては』とか『少しなら』と、消極的な態度を見せる店もあるが、大概は価格交渉OKである。
3.笑ってごまかす店や、『うちは最初から安く設定しているので、厳しいですが…』と言葉を濁すような店も大体OKと見てよい。
4.『すみません…うちは値引きしていないんですよ…その代わり値段には自信有ります』という店は、本当に安い場合が多い気がする。
また、その店の集客用の超目玉品や、いつも切らさずにおいている定番商品は、ほぼ値切りに応じてもらえない
値切り交渉をするのも、時と所を選ぶ必要があるようだ。

値切りがうまい都道府県民といえば、まず大阪人が思い浮かぶ。
大阪人は、日用品を購入する際に値切るのは当たり前である。
消費者行動を研究する関西学院大学の須永努教授によると、「関東では高値で買ったことを誇り、関西ではいかに安く買ったかを自慢する傾向がある」ということらしい。
「中でも商都として発展した大阪はその色が濃い」とも語っている。
様々な地域でビジネスを経験したが、なるほどと思える。

一部では、名古屋人の値切りは「大阪以上」との呼び声も高い。
名古屋人が値切りの本領を発揮するのは、「ビジネス」の舞台である。
売り上げを伸ばして利益をアップさせるより、まずはコストを下げて利益につなげるほうが手っ取り早い。
ということで、徹底的に値切り交渉をするのが名古屋人である。
ビジネスの場では、「見積もり段階、請求書段階、支払い時」の3値切りは当たり前とされている。
さらに、納品時の4回値切りをする者もいるほどだから要注意である。

このように、値切るという行為から見ても、地域性がにじみ出ていて面白い。

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