川柳徒然草滑らかに団扇が舞って祭り更け 祭りには、団扇がつきものだ。 輪になって、あるいは列になって踊っている踊り子の手元には、必ず団扇がある。 団扇は、もとも‘あおぐ’ためより‘はらう’とか‘かざす’役割のものだった。 もともとは、翳(さしば)といい...2021.10.02川柳徒然草
川柳徒然草地図見ても昼は分からぬ夜の街 歓楽街の中にあるオフィスを訪ねることになった。 地図を描いてくれた相手は、夜の街の印象によって描いているため、目標はバーやナイトクラブが大部分である。 ところが、昼間の歓楽街は、ネオンや電飾入りの看板はすべて電気を切っている。...2021.10.01川柳徒然草
川柳徒然草剣豪の厳しさ武蔵の絵が語る 剣豪・宮本武蔵は、絵画の世界でも号・二天と称してすぐれた作品を残している。 代表的な作品として、和泉市・久保惣記念美術館にある「枯木鳴鵙図(こぼくめいげきず )」があげられる。重要文化財である。 この絵には、武人としての武蔵の...2021.09.29川柳徒然草
川柳徒然草直会でまつりの幕は派手に閉じ まつりに、‘直会(なおらい)’はつきものである。直会は、神社に於ける祭祀の最後に、神事に参加したものが、一同で神酒を戴き神饌を食べる行事である。神々にお供えした物を下げて戴き、神と人とが一体となる‘共飲共食儀礼’とされている。これが、直会...2021.09.28川柳徒然草
川柳徒然草赤鬼青鬼がぐったりと寝る終電車 終電車は、様々な人間模様がみられる。最も目立つのは、ぎりぎりに駆け込む酔っ払いのグループだ。乗り込んですぐは元気いっぱいで、周りの迷惑もお構いなくしに大声でしゃべり合っている。しかし、空席にありついて座ったとたん、眠り込んでしまう。 ...2021.09.27川柳徒然草
川柳徒然草肘掛椅子やっと座れば胃潰瘍 「肘掛付き椅子は管理職から、革張りは取締役から」という、不思議なしきたりが多くの会社にある。 つまり、‘肘掛椅子’は何らかの役職についていることを意味している。 しかし、やっと権限を持つ役職に就いたが、その重圧に潰されて胃潰瘍...2021.09.26川柳徒然草
川柳徒然草遠雷が行くぞ行くぞと威嚇する ‘遠雷’は、夏の季語である。 夕立の前、急に風が涼しくなって、遠くでゴロゴロと音がする、というイメージである。 積乱雲は発達すると、中で氷の粒がぶつかり合い、静電気を起こす。 静電気は、積乱雲の中でプラスとマイナ...2021.09.25川柳徒然草
川柳徒然草結果には拘りませんキリギリス キリギリスは、夏の日中、草むらでチョンギース、チョンギース、と鳴いて居るのですぐわかる。 イソップの代表的な寓話に『アリとキリギリス』がある。原作では『アリとセミ』だったが、セミがいない国向けに翻訳され、それが日本に伝わってキリギリ...2021.09.24川柳徒然草
川柳徒然草花一輪挿して茶室に風の音 文豪・谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼讃』(いんえいらいさん)は、日本人の芸術的な感性について論じており、多くの世界の芸術家や思想家に影響を与えた。 西洋の文化では可能な限り部屋の隅々まで明るくし、陰翳を消す事に執着する。しかし、伝統的な日...2021.09.23川柳徒然草
川柳徒然草アヒルの群れに白鳥混じりいびられる アンデルセンは、『みにくいアヒルの子』の中で、「自分が白鳥の卵からかえったのであるならば、農家の庭の隅っこのアヒルの巣で生まれようが生まれまいが、ものの数ではなかった」と書いている。 つまり、‘育ち’より‘氏’の方が大事ということだ...2021.09.22川柳徒然草