川柳徒然草

川柳徒然草

手紙した すぐにメールの返事来た

多少かしこまった時などは、手紙を出すことになる。 手紙にはある程度形式があり、これが重荷に感じることもあるが、形式に則っていれば失礼なことにはならないので、便利でもある。 しかし、取り留めのない手紙に、取り留めのない返事が来て...
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乱雑な部屋にひと筋獣道

部屋が乱雑なのは、心が乱れている証だととらえられている。 しかし、アインシュタインやパブロ・ピカソは部屋が汚いことで有名だ。 物理学に’エントロピー増大の法則’というのがある。 「自然(世界)は、時間とともに秩序...
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アリの目で地べたばっかり見て暮らす

「蟻の思いも天に届く」ということわざがある。 アリのように、地べたを這いまわって生きている微力な存在でも、一途に念じ続ければ思いは届くものだ、というである。 努力は必ず報われるということだ。 ’働きアリの法則’と...
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透明な水には毒がよく溶ける

「#水清くして魚棲まず」ということわざがある。 「漢書」「宋名臣言行録」に出てくる文章では、「水至って清ければ、則ち魚なし。 人至って察なれば則ち徒なし」となっている。 あまりにもきれいな水には魚が住めないし、賢くて潔白...
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建前にこだわり本音出しそびれ

いわゆる日本人論の中で、建前と本音の使い分けが挙げられる。 日本人は建て前ばかりで本音を表さない、というのである。 果たして、日本人は建前だけで交渉しているのだろうか? 本音を出さないままで、交渉などできるのだろうか。 ...
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諸行無常変化を受け入れ生きてゆく

方丈記の冒頭は、「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」とある。仏教の諸行無常を表している。‘諸行’とは、因縁によって起こるこの世の現象を指す。‘無常’とは、一切は常に変化し、不変のものはないという意味である。 平家物語...
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カラス鳴き犬吠え掛かる朝帰り

朝帰りをしていたら、街中のごみ漁りに出かける烏の鳴き声や、犬の吠え声に驚かされる。 カラスの鳴き声を耳にすると、「月落ち烏啼いて 霜天に満つ」という漢詩が頭に浮かぶ。 この『楓橋夜泊』は、唐の詩人・張継が、蘇州の楓橋という橋の...
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口達者手足も達者で鼻つまみ

社会に何らかの居場所を見つけ、元気に活動している高齢者は多い。 永年の経験に裏打ちされた豊富な知識は、信頼され尊重されている。 しかし、日本の高齢者は切れやすいと言われている。 労働への意識の違いが、根底にあるのではない...
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屋根覆うブル-シートに草萌える

近年は、大型の自然災害が増えている。 テレビのニュースを見ていると、災害から日が経っているにもかかわらず、いまだにブルーシートに覆われた屋根姿が映し出される。 被災から数年たつと、シートの上には土が積り、春になれば草が芽吹いて...
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欲みんな捨ててもぬけの殻になり

’欲’とは、何かを欲しいと思う心であり、生理的・本能的なレベルのものから、精神的・社会的な高次なものまで含まれる。 心の働きや行動を決定する際に重要な役割をもつと考えられている。 仏教では、欲そのものは人間に本能的に具わってい...
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