川柳徒然草

川柳徒然草

墨痕鮮やか読めない字が躍る

元日の朝、最大の楽しみは年賀状である。 現役を引くと、お付き合いは年賀状だけという相手も増えてくる。 年の初めに、いただいた賀状を見ながら、昔を思い出すのも、新しい年へのアクセルになる。 むかしのように印刷屋に頼...
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磨いたら値打ちが下がるいぶし銀

いぶし銀という表現がよく使われる。 ベテランの渋い味を表していることが多い。 一見した美しさというより、渋さや奥行きを持っていて‘魅力的な人’という意味に捉えられている。 目立たないが実力があり、しかも縁の下の力持ち的な...
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円窓を通し世界を丸く見る

禅寺には、円窓がたくさん見られる。「悟りの窓」というらしい。 円窓を通して見える景色は、なんとなく他とは違って見える。 窓越しの庭園を見ると、自然がまるで芸術作品のようだ。 世界を丸い枠で切り取っているのだから、...
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永遠の平和は無いと知る歴史

戦争の原因の多くは、経済環境にある。 端的に言うと、食えるか食えないかということである。 生存のための、第一の欲求は食欲である。 戦争の多くは、食糧の分捕り合戦から始まっている。 食料の多くは、穀物を中心と...
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嫌なこと忘れてからはよく眠る

大手術を受けてから、足が冷えてなかなか寝付けないことがある。 冬になると一段と厳しい。 しょうがないので、アンカを入れることにした。 これでだいぶ寝つきは良くなった。 それでも、雑念が頭一杯に浮かんでくると、やはり...
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垣根越し土産渡して旅話し

旅は、計画する段階、実行の段階、思い出の段階と多様に楽しめる。 計画段階では、見たいもの、食べたいもの、経験したいものなどを思い浮かべて、目的地をあれこれ探す。 いつ行こうか、どういう手段で行こうかなども考えておかなければなら...
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厄払い不運は神に押し付ける

ニーチェは‘神は死んだ’と叫んだが、神に代わるものを見つけられずに、とうとう精神的に壊れてしまった。 西洋の哲学では、都合が悪い部分は常に‘神’の存在に頼っている。 神を信じないという哲学でも、’キリスト’を信じないと言ってい...
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豊かさほどほど幸せもほどほど

‘豊’という字は、山盛りにした穀物を盛っている、器の状態を表している。食べるものが沢山あるとか、一杯あるというイメージである。 文字が作られたころは、農業が主体の経済構造だった。そのころは、充分な作物もなく、しかも天候に大きく左右さ...
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腹決めて反対論に挙手をする

聖徳太子が定めた十七条の憲法には、冒頭に「和を以て貴しと為す」という言葉が、掲げられている。 実際の文書は「以和爲貴、無忤爲宗」である。 続いている言葉は「逆らう事なきを旨と為す」と読む。 さらに、あとに続く文章を読むと...
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今の今夢ではないと言えますか

荘子は、胡蝶の夢のたとえで、ひらひらと飛んでいた夢を見たが、はたして自分は蝶になった夢をみていたのか、それとも今の自分は蝶が見ている夢なのか、と言っている。 デカルトも、もしかしたら自分は今、夢の世界にいるかもしれないと疑っ...
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