川柳徒然草

厄払い不運は神に押し付ける

ニーチェは‘神は死んだ’と叫んだが、神に代わるものを見つけられずに、とうとう精神的に壊れてしまった。 西洋の哲学では、都合が悪い部分は常に‘神’の存在に頼っている。 神を信じないという哲学でも、’キリスト’を信じないと言ってい...
川柳徒然草

豊かさほどほど幸せもほどほど

‘豊’という字は、山盛りにした穀物を盛っている、器の状態を表している。食べるものが沢山あるとか、一杯あるというイメージである。 文字が作られたころは、農業が主体の経済構造だった。そのころは、充分な作物もなく、しかも天候に大きく左右さ...
川柳徒然草

腹決めて反対論に挙手をする

聖徳太子が定めた十七条の憲法には、冒頭に「和を以て貴しと為す」という言葉が、掲げられている。 実際の文書は「以和爲貴、無忤爲宗」である。 続いている言葉は「逆らう事なきを旨と為す」と読む。 さらに、あとに続く文章を読むと...
川柳徒然草

今の今夢ではないと言えますか

荘子は、胡蝶の夢のたとえで、ひらひらと飛んでいた夢を見たが、はたして自分は蝶になった夢をみていたのか、それとも今の自分は蝶が見ている夢なのか、と言っている。 デカルトも、もしかしたら自分は今、夢の世界にいるかもしれないと疑っ...
川柳徒然草

懐かしいなまりの客と屋台酒

石川啄木の歌集「一握の砂」の中に、‘ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく’という歌が入っている。 故郷というものには、特別な感情が湧く。 とくに旅先で、聞きなれた訛りの人と会うのは、とても懐かしを覚える。 ...
川柳徒然草

ぐずる子をアンパンマンは直ぐなだめ

アンパンマンは、漫画家やなせたかしが生み出したキャラクターである。幼児にとって、最も親しみやすいキャラクターであり、圧倒的な親近感が持たれている。スーパーなどで,いちばん低い棚に収まっているアンパンマンの絵が描かれた商品を見つけ出し、親に...
川柳徒然草

雑草と呼ばれる花が野を飾る

この時季、散歩に出るとあちこちで野の花が咲き乱れている。公園の片隅や、小さな空き地はもとより、昔は園芸品種の花が咲き乱れていたと思える、廃屋の庭にも野花が咲き誇っている。 春の七草は、七草粥の材料になる食べられるものばかりであるが、...
川柳徒然草

考える葦だからかな すぐ揺れる

人間は考える葦である、とパスカルは言った。パスカルは、自然界の中で人間は弱い存在であるが、考える知恵があるからうまく生き抜いている、と言っているようだ。 つまり人間は、自然界の厳しさを知恵によって克服し、繁栄しているととらえている。...
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