川柳徒然草

ごめんねが出ずに刺さったままのとげ

「ごめんね」という言葉は不思議だ。‘ご免’というのは、‘許可’を意味する‘免’に、尊敬を表す接頭語‘御(ご)’が付いている。正式に許可や認可することや、その決定を下す者を敬っていう語である。「天下御免」などというときの‘御免’だ。「御免」...
川柳徒然草

五百羅漢 五百の過去を捨てた顔

五百羅漢を祀ったお寺が各地にある。 ’羅漢’というのは、‘阿羅漢’とも言う。 羅漢は、煩悩をすべてなくした人のことで、小乗の悟りを得た聖者のことである。 もはや、学ぶべきものがないので‘無学’ともいう。 釈...
川柳徒然草

黒猫がミステリアスな目でにらむ

黒猫は、イメージするだけでもミステリアスなものを感じる。 物陰から、じっと睨みつけられていると、恐怖感すら覚えることがある。 欧米では、黒猫は‘魔女の使い’とされ、忌み嫌われていた。 そのため、迷信をなくし、虐待...
川柳徒然草

たわ言を聞かぬふりして会議済む

様々な会議がある。 だらだらと、時間だけ取り、何も決まらない会議もたまにある。 会議のための会議が多いのだから、だらだらなるのも当然だろう。 慣れてくると、このような会議でも、うまく時間消化できるようになる。 ...
川柳徒然草

天高く何を食べても肥ゆる秋

秋になると、夏バテで落ちていた食欲が回復し、体重も増加する。 何故食欲が出るのかは、諸説ある。穀物や果実、水産物など、多くの食材が旬を迎える。美味いものが周囲にあふれる時期だから、食欲が増すのは‘自然のなりゆき’である。 秋風...
川柳徒然草

へらを打ち名を捨て実を取りに行く

「へらを打つ」という言葉がある。話を合わせるということで、こちらの考えは脇に置いて、相手の話す内容に同調するという意味である。だらしなくあいまいに笑うさまを「へらへら笑う」と言うが、この意味も込められているようだ。 「へら」という言...
川柳徒然草

青柳と名乗りバカ貝とは呼ばず

「ばかがい」という名の貝がいる。 バカガイ科バカガイ属に分類されており、正式の名前である。 アサリやハマグリなどと並んで、食用としてなじみ深い。 「馬鹿貝」という名を寿司ネタとして供したり、品書きに表したりすることを嫌っ...
川柳徒然草

秋深し隣の柿が食べごろだ

秋の果物と言えば、第一に柿である。一つだけ残された柿の実を見ると、一段と秋の深まりを感じる。 それにしても、隣の芝生は青いと言われるが、隣の柿の実も美味そうに見える。
川柳徒然草

少年のぬけがら時さかのぼる

時間は、流れるものと思われている。 流れるもので、代表的なものは川だ。 北海道で、小さな川にあふれるほど遡上しているサケを見た。 あのサケは、これから産卵をして一生を終えるのだ。 新たな‘生’のため’死’に向かい、...
川柳徒然草

猿芝居シナリオ書きのうす笑い

永田町がにぎやかだ。 与党に対し、野党がやみくもに反対する、といういつもの図式である。 それを、マスコミが大げさに煽りたて、もめているように仕立て上げる。 国民は、何が問題でどのように解決しようとしているのか、よく分から...
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