黒猫がミステリアスな目でにらむ

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黒猫は、イメージするだけでもミステリアスなものを感じる。

物陰から、じっと睨みつけられていると、恐怖感すら覚えることがある。

欧米では、黒猫は‘魔女の使い’とされ、忌み嫌われていた。

そのため、迷信をなくし、虐待などから黒猫を守ろうと、欧米各国で「黒猫の日」が制定されている。

アメリカでは、8月17日、イギリスでは10月27日、イタリアでは11月17日である。

ちなみに、日本では’黒猫’の日は無いが、2月22日が‘猫の日’となっている。

数字の2と猫の鳴き声の「ニャー」をかけて、「ニャー」が3つ並ぶ日である。

猫が日本にもたらされたのは7世紀半ば、遣唐使たちが中国から持ち帰る仏典をネズミから守るために、連れてきたと言われている。

平安時代に在位した宇多天皇(867~931年)は、その日記『寛平御記』(かんぴょうぎょき)で、かわいがっている黒猫の漆黒の毛並みや佇まいの美しさを、自慢している描写がある。

「黒猫が目の前を横切ると不幸が訪れる」と言われるが、‘福猫’として縁起の良いものとされ愛でられてきた歴史もある。

夏目漱石の『吾輩は猫である』のモデルは、明治37年(1904)、夏目家に迷い込んできた一匹の黒猫である。

これを、通いの按摩さんが「これは爪まで黒い珍しい福猫です」と言ったことから飼うことにした。

漱石にとって、この猫をモデルにした小説がデビュー作になったのだから、まさに’副猫’だった。

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