アンパンマンは、漫画家やなせたかしが生み出したキャラクターである。
幼児にとって、最も親しみやすいキャラクターであり、圧倒的な親近感が持たれている。
スーパーなどで,いちばん低い棚に収まっているアンパンマンの絵が描かれた商品を見つけ出し、親にねだる。
ぐずついていても、アンパンマンを目にするとピタリと収まる。
アンパンマンがこんなに好かれているのは、児童心理学的には、丸いという子供にとって最も認知しやすい形と、赤色の組み合わせで描かれているため、親近感を持ちやすいからだとされている。
一説によると、丸いことから、母親のおっぱいを連想して、それが無条件に庇護されているという、絶対的な安心感とも結びついているのでないかとも考えられている。
ところが、三歳半を過ぎる頃から、興味の対象が急にほかに移りはじめる。
この頃から自意識が芽生え、合理的な判断ができるようになるためである。
自分の体をちぎって食べさせることや、いつもばいきんマンに逃げられてしまうことなど、アンパンマンの非現実性、非合理性に気づく。
こうしてアンパンマンから心が離れ、ストーリー性のあるものに関心が移る。
人として生き抜く知恵を付け始めるのだろう。
しかし、幼児からの絶対的な信頼性を見ていると、アンパンマンは偉いと思う。