豊かさを求めても、向こうからはやっては来ない。
こちらから、積極的に迎えに行かなければならない。
しかし、やみくもにうろうろしても、見つかるはずがない。
マネジメントの世界で、「鳥の目、虫の目、魚の目」ということが言われる。
鳥の目とは、鷹が大空から眺めるように、物事を俯瞰(ふかん)的に見て、大局的にとらえる視点である。
長期的な目標ともいえる。
全体を見渡せるが、目の前の障害物に気づくのが遅れるという弱点もある。
虫の目とは、アリのように事象をより身近に細かく、トンボのように複眼的に多面的に見る視点である。
短期的な目標であり、より現実的な視点である。
一歩一歩着実に進むが、自分の行く先に何があるのか見えてないので、方向性を見失うということもありうる。
魚の目とは、激しい流れの中で変化や因果、過程などの時間的な流れを見通す視点である。
未来的な目標といえる。
鳥の目、虫の目が空間的な視点とすれば、魚の目は時間的な視点である。
足元ばかり見ていると、周りが見えなくなる。
周りばかり見ていると、足元がおろそかになる。
そこで、高さを変えてみる、立場を変えてみる。
見え方が変わってくる。別の視点で考えることができる。
別の角度から見ると、今とは違う‘豊かさ’が見えてくるに違いない。