一隅を照らすつもりでボランティア

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「一隅を照らす これ即ち国宝なり」は、伝教大師最澄の言葉である。

片すみの誰も注目しないような物事に、ちゃんと取り組む人こそ尊い人だ、という意味である。

この言葉は、35年にわたり、アフガニスタン医療と農業の改革に取り組んで、暴徒に襲われて亡くなった、中村哲医師の好きな言葉でもある。

中村医師は、片隅を照らす事だけでよい。

世界がどうだとか、国際貢献がどうだとかいう問題に煩わされてはいけない。

それよりも自分の身の回り、出会った人、出会った出来事の中で人として最善を尽くすことではないか、と語っている。

大事なのは、与えられた場所でいかに力を尽すか。

そして、その時、その時の仕事に全力で取り組むかということを伝えたかったのだろう。

昭和最大の黒幕と評された、思想家・安岡正篤の言葉に「一燈照隅 万燈照国(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこう)」がある。

「一隅を照らす光が集まれば、その光は国全体をも照らすことになる」である。

スーパーボランティアと呼ばれる、小畠春夫さんは、災害地区にいち早く駆け付け、被災家財の片付けなど、直接的な被災支援に当たっている。

ご本人にとっては小さな行為のようだが、それが被災者には大きな励ましの力になっている。

それぞれが、与えられた立場でベストを尽くすことが、集まって大きな力になってゆくのだと感じる。