品川駅の近くのホテルに宿泊した。
上層階だったので、朝、窓から富士山がくっきりと見えた。
そろそろ山頂に雪をかぶる時期だったので、息をのむほど美しかった。
夕方、富士山を楽しみに、仕事を手際よく切り上げ、ホテルに戻った。
しかし、富士山は全く見えなかった。
排気ガス等により、空気が濁ったため見えなくなっているらしい。
ホテルの人によると、台風直後などは空気中のちりなどが少なくなっているため、日中でも見えることがあるらしい。
しかし、富士山が見える、見えないという事実を体験すると、都会の空気の汚れが気になってくる。
富士山は、伊勢周辺からも見えるようだ。
200キロメーター以上離れているが、海の上にぽっかりと見えるそうだ。
奈良平安の時代から、伊勢参りに来た人たちも、遠く海越しに富士山を眺めていたようだ。
最近は、ドラえもんの「どこでも窓」のように、世界中の景色動画を映し出す窓型のディスプレイも売り出されている。
風景に合わせた音楽も流れてくるようだ。
しかし、窓から爽やかな風を入れながら眺める、窓いっぱいの富士山にはかなわないだろう。
普通に考えても、山が見える宿でマグロの刺身を食べながらの夕食より、窓越しの山を眺めながら、山菜で日本酒をちびちびやる方がうまいに決まっている。