妊娠七週目の胎児が、胎盤の中で動いている映像を見た。
すでに、命あるものの行動だった。
出産までに約40週かかるとされているが、その最初期でもすでに生き物として活動していることに感動した。
いよいよ出産が迫ると、胎児は胎盤の中で活発に動き回る。
母親にとっては、すでにひとりの人格を持つ存在になっているのだろう。
お腹の胎児に語り掛けているママの姿を見ると、母親の偉大さを感じる。
’胎内記憶 ’という言葉がある。
胎児が、母親の胎内にいることを覚えているということである。
胎内記憶といっても、大きく分けて2種類のものがあると言われる。
ひとつは、胎児の聴覚や味覚に関したことであり、もうひとつは、胎児期の記憶に関することである。
胎児には、母親の声が聞こえており、出産直後から、他の女性の声よりも母親の声を好むという。
味覚についても、母親が出産前にカレーなどを毎日のように食べると、出産後、乳児はそれらの食べ物を好む傾向があるという報告もある。
胎児期の胎内に関する記憶には、否定的な考え方をする研究者が多い。
しかし、胎盤の中で動いている胎児の姿を見ると、肯定的に考えざるを得ない。
母親が、胎内で子の感性の基礎を作っていることも感じる。
母親の有益な行為は、子供の脳にとっても有益となるのだろう。母親が抱えている責任の重さを、改めて考えさせられた。