大井戸に住んで大海知ってる気

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永年、大きな組織にどっぷり浸かっていたら、自分の住んでいる世界を大海と思ってしまうらしい。

’井の中の蛙大海を知らず’ということわざがあるが、大海とは広い世間の事であり、多様な価値観を持つ人たちの集まりの事である。
しかし、大きな組織の居住者は、自分の世界が全ての縮図と思い込んでしまうことがあるようだ。
大きな組織の中の、ほぼ単一文化に長年浸かっていたら、その価値観に支配されてしまうらしい。
単一の価値観に慣らされているため、世の中には多様な価値観が存在していることに気づかない。

定年等の理由により大組織から離れても、これまでの価値観が世の中のすべてと思い込んでいるため、多様性を受け入れることができない。
結果的に、世間に溶け込みにくくなり、自分の方から排除するか、周りから排除されるかということになる。
閉じ込められた井戸の中の事しか知らないと、自分の狭い知識にとらわれて、物事の大局的な判断ができなくなってしまうからだろう。

このことわざの出典は、荘子の「秋水篇」であり‘されど空の青さを知る’という言葉に続いている。狭い世界で自分の道を突き詰めてこそ、その世界の深いところまで知ることができる、という意味だ。

井戸の広さや深さには、多様な価値観が詰まっていることを知るのが大切だろう。