外食の際、エビフライで思うのだが、どうすればあんなに厚い衣をかぶせられるのだろうか。
気になって、調べてみた。
‘ダブル衣’という方法をとっているためだった。
これは、見た目を立派に見せるために、通常フライを作る際の衣つけの工程を2度繰り返しているのだ。
結局、衣をつけてフライにしたものに、再度衣をつけてフライにしている。
衣を重ね着させているようなものだ。
重ね着では、‘十二単’を思い出す。
宮中における正装であり、皇室の行事で、皇族がお召しになっている姿を見ることがある。
身近なところでは、お雛様も着ている。
もともと平安時代の中期に、宮中の女官の間で、内に着込める重ね袿(かさねうちぎ)という単(ひとえ)の上に袿を数枚重ねて着る風習が生まれた。
それが次第に華美になり、20枚以上着用することなどもあった。
そこで、平安時代末期から鎌倉時代には重ね袿を五枚までとする制度が定められた。
これを五衣(いつつぎぬ)といい、季節に応じたかさね色目を装うことが美しさの条件とされ、平安時代の女性たちは美意識を表現するものとなった。
これが後世「十二単」と呼ばれている。
十二単と言っても、十二枚重ねているわけではない。
十二というのは、「たくさん」や「多い」といった意味合いで使われている。実際には、五衣を入れて八枚ほどである。
八枚だって、着付けだけでも大変だろう。