各地で、ニュータウンという名がついた、空き地空き家だらけのシルバータウンを目にする。
ニュータウンは、日本が高度経済成長を遂げた1960年代から1980年代にかけ、大都市周辺のベッド・タウンとしての大型団地開発がすすめらた。
相応の公共施設や学校、病院、商店街を備えていた。
都市周辺に続々と生まれた○○ニュータウンという名称の大型団地では、所得や文化レベルが均一で人口密度も比較的高いため、いわゆる新住民と呼ばれる層が大半を占めていた。
しかし、1980年代後半には、このブームは徐々に収束していった。
総務省の「住宅・土地統計調査」によると、総住宅数が総世帯数を上回ったのは1973年からである。
空家率が5%を超えたのも同じ時期になっている。その頃から、住宅数が数の上では「足りている」状態 となっている。
その時代から、40年~50年とたつと、親は確実に高齢化し、リタイア生活を始めるようになり、子供は町を出てしまい、孵ってくる見込みは非常に低い。
結局町には シニアばかりとなってしまう。
高齢者のための各種施設が不足し、小児科に代わって内科や整形外科がシニアで混む。
問題の根底には、同じような年齢で、同じような家族構成の人を短期間に集めてしまったことがある。
そして、その町の住民が確実に減ることにある。
郊外にあるニュータウンに明るい未来はない。根本的な対策が必要だろう。