酔うと、隠れていた人間性が顔を出す。
泣き上戸とか笑い上戸程度であれば、周囲にあまり迷惑はかけない。
やたら説教をする人がいる。
本人は親切で言っているのだろうが、自分でも気が付いていることを繰り返し指摘されると、いい気持ちはしない。
天下国家を論じたり、野球チームの監督に対してケチをつける程度だと、同調もしやすい。
上司の悪口や組織の悪口は、不快感が湧いてくる。
中には、酒に酔うと人が変わったようになり、乱暴な言動をとる性癖の人もいる。
文字通り、‘酔って狂っている’という状態であり、‘酒乱’という。
’酔狂’という言葉には、二つの意味がある。
一つは、酒に酔ってとりみだすことである。
もう一つは、好奇心から人と異なる行動をとることであり、いわゆる、物好きなである。
この意味に近い言葉としては、‘粋狂’の文字が頭に浮かぶ。
これは、‘もの好き’などの意味に近く‘いき’であることに狂っている様子である。
‘伊達や酔狂’という言葉もあるが、‘伊達’は見栄を張ることや、人目を引く派手な振る舞いなどを意味する。
したがって、‘伊達や酔狂’とは、‘見栄や好奇心’ということだ。
‘酔興’ いう言葉もある。
酒に酔って興がのっている様子であり、穏やかなイメージになる。
酒に酔った状況を表す言葉を並べてみると、自分がどれに相当するのか考えさせられる。
‘酔興’の段階にとどめていたいものである。