ファッションとは、ある時点において人々の間で流行しているスタイルや風習である。
服装を指す場合が多いが、装身具や美容に関することも含まれる。
‘ファッショナブル’といった表現があるが、最新または評判の良い様式に沿っていることをいう。
衣服は着用者の美意識をそのままあらわすものであり、個性を示す手段ともなっている。
着用する衣服は他者からの第一印象を決定づけるものであり、これを利用して他者に自らの望むイメージを印象づけることもできる。
「流行への追随」と「個性の強調」という、本質的に対立する概念が、ファッションの根幹をなしている。
心理学に「ドレス効果」という概念がある。
人は、相手の着ている服装によって、その人の依頼や主張、意見を受け入れるかを判断しているという心理現象のことである。
米ユタ州・ウェーバー州立大学のブラッド・ブッシュマンが面白い実験をした。
無作為に選定した150人の歩行者に声をかけ、「あそこでお金が足りずに困惑している人がいるのですが、僕は今持ち合わせがないので、 1ダイスだけでも恵んであげてくれないか」と懇願した。
彼はその際、意図的に3つ(カジュアルな服装、消防士の格好、スーツ姿)の服装を使い分けた。
承諾を得たのは①消防士82%、②スーツ50%、③カジュアルな服装44%という結果だった。
‘見た目’で判断されるのだから、‘身なり’にも気を付けなければなるまい。