幼児は、夢と現実の境界線が無い。
したがって、現実と夢の世界を自由に行き来している。
幼児との約束は、時には楽しい思い出を作るきっかけになる。
しかし、時には無理なお願いもある。
幼児は素直な気持ちのままで、空想の世界のことを現実と混同して、約束を迫ってくる。
そして、その約束からつらい結果を想定しなければならなくなる。
幼児は、夢を全く疑ってない。
現実を知っている大人は、絶対に無理な約束だと分かっている。
そこには、折り合いをつける必要があるが、相手は理屈など理解できる年齢じゃない。
もう少し大きな子供が相手だと、適当に言いくるめる方法もあるが、そんなことを純真な心に植え付けたくない。
約束の指切りげんまんを迫られる。
約束を果たせなかったときの、がっかりした、恨めしそうな顔を思い浮かべると、指切りを断わるべきかもしれない。
そうすれば、せっかくの夢を摘むことになる。
約束を果たせなかったときに、どのように言い訳しようかとも悩む。
しかし、期待で喜び一杯の笑顔を見ると、できないと分かっていても、約束に応じてしまう。
夢がかなわなかったときの子供の顔を思い浮かべると、つらい気持ちになる。
しかし、せめて今だけはいい顔を見ていたい。
針千本、飲んだらさぞかし痛いだろうな。
胃薬を少々飲んだくらいでは済まないだろうな。なんてことも考えながら、小指を出す。
子供との遊びには思いがけない展開があるもの。
無理な約束に巻き込まれることもあるが、その中にこそ素敵な思い出や成長が隠れていることを忘れずにいたい。
また、幼児との約束がもたらす成長や絆の大切さも再認識することができる。
これも、幼児相手の楽しさの一つになるのかな。