振る尾っぽ無くてひたすら頭下げ

川柳徒然草
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「機嫌取り」は不得手だ。
犬のように、上手に尻尾をふってご機嫌伺いはできない。
猫のように、べったりと甘えることもできない。
猿のように、失敗しても反省のふりして誤魔化すことはできない。

おべんちゃらを言う才覚は無い。
愛嬌を振りまくガラでもない。
空気を読むのは苦手だし、おまけに曲がったことが大嫌いである。

失敗しても、出まかせの言い訳はできない。
ひたすら頭を下げて、追及の風が頭の上を通り過ぎるのを、ただ待っている。
依頼しなければならない場合も、ただ頭を下げてお願いします、を繰り返すだけだ。
世渡りの上手な同僚を見ていると、うらやましいと思うこともあったが、真似てみようという気は起きない。

おべんちゃらとは、相手を喜ばせるために必要以上に褒め称えたり持ち上げたりすることである。
おべんちゃらは、相手を欺き、虚構の関係を築くための手段であり、真の信頼関係を築くためのコミュニケーションとはならない。
短期的には、相手を喜ばせ、好印象を与えることは可能かもしれないが、長期的にはその虚構が露呈し、信頼を失墜する可能性が高い。
やはり、真の信頼関係を築くためには、誠実なコミュニケーションが重要になる。

おべんちゃらが横行する第一の理由は、上司の顔色を伺い評価を得るためだろう。
さらに、他人からの賞賛や認められたいという気持ちや、自身の能力や価値に自信がないため、おべんちゃらで相手からの評価を得ようとすることになる。

振る尾っぽのように媚びることなく、常に誠実な姿勢を貫くことが大切だろう。
そして、揺るぎない信念と誇りを持ち、自らの価値観に基づいて行動することが、世の中をまともに渡る正しい方法である。

永年人生のキャリアを積むと、社会の人間関係や価値観を深く理解ができている。
さらに、周囲からの信頼を得ることによって、長期的なキャリア形成に有利に働く。
見え透いたおべんちゃらを使わない、誠実なコミュニケーションは信頼関係構築の基盤となるはずだ。

誠実な姿勢を貫き、自身の能力と実績を信じて勝負することが、おべんちゃらを使わずに認められる唯一の方法だろう。