わが国の平均寿命は、 2019 年現在で男性が 81.41 年、女性が 87.45 年となっている。
2065 年には男性が 84.95 年、女性が91.35 年となり、女性の平均寿命が 90 年を超えることが見込まれている。
ところで、‘平均寿命とは’、現在「0歳の人がその後何年生きられるか」という予測値であり、したがって、現時点で平均的にこの年齢まで生きている、という数字ではない。
「この年齢の人は、あと何年生きられるか」というのは‘平均余命’という。
2019年の統計によると、60歳男性の平均余命は、23.97年である。
その計算のままだとおよそ83~84歳で皆死ぬことになるが、じつは85歳の平均余命は6.46年、90歳の平均余命は4.41年と続く。
つまり、人は、高齢になればなるほど(あくまでも統計上であるが)、平均寿命を超えて長生きする。
ちなみに、2019年時点の年齢ごとの平均余命は以下のとおりである。
60歳 男23.97年 女29.17年 70歳 男15.96年 女20.21年 80歳 男9.18年 女12.01年 90歳 男4.41年 女5.71年
したがって、平均寿命を越えたからと言って、長生きしたと威張れるほどのことでは無い。
大切なのは「日常生活に制限のない期間」の予測値である健康寿命である。
他人にお世話にならなくても、一人で生きていける期間である。
2016年の調査では、わが国の健康寿命は 男性72.14歳 女性74.79歳 となっている。
何時までも健康寿命を保って、平均余命を上回ってこそ’長寿’と言えるのだろう。