この時季、散歩に出るとあちこちで野の花が咲き乱れている。
公園の片隅や、小さな空き地はもとより、昔は園芸品種の花が咲き乱れていたと思える、廃屋の庭にも野花が咲き誇っている。
春の七草は、七草粥の材料になる食べられるものばかりであるが、秋の七草は萩や桔梗のように花が多い。
黄色いオミナエシや、うす紫色のノコンギク、ハート形の葉と黄色い花のカタバミが目立っている。
中には、野生化したのか、近隣から種が運ばれてきたのか、コスモスの小さな群れもある。
その中でひっそりと咲いている、細い白い花をつけたヒメジョオンは、その名前の日本的でない響きに惹かれて、気になる花の一つである。
比較的広い場所では、セイタカアワダチソウとの生存競争に勝ったススキが、白い穂を揺らしている。
エノコロクサの花穂も魅力的だが、こちらはネコジャラシと言えばそのイメージが直ぐ浮かぶ。
雑草と呼ばれるが、それぞれに個性ある花をつけ、実を結び次の世代を送り出している。
そのたくましさとともに、その可憐な花にもじっくり目を向けてやりたいものだ。
人間の世界も、雑草のようにたくましいと言われる人がいるが、最近は、少なくなってきているようだ。
今の世の中、少したくましさが欠けているのかなと感じる。