墨痕鮮やか読めない字が躍る

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元日の朝、最大の楽しみは年賀状である。

現役を引くと、お付き合いは年賀状だけという相手も増えてくる。

年の初めに、いただいた賀状を見ながら、昔を思い出すのも、新しい年へのアクセルになる。

むかしのように印刷屋に頼んだ賀状はほとんど姿を消し、パソコンで自作したものが多いので、結構ユニークなものもある。

書道をたしなむ方から、自分の作品を送っていただくこともある。

‘すごい’達筆で書かれているのだが、なんという字か読めない。

芸術は、細かい意味を探って鑑賞するのではなく、そのまま直感で鑑賞するものだと言われるが、年賀状だから書いてある字の意味は知りたい。

行書くらいだと、ある程度読めるのだが、パソコンに慣れた目にはぐちゃぐちゃと崩している草書はお手上げだ。

漢和辞典を引っ張り出して、偏やつくりから想定して字を引いてみるがなかなか見つからない。

しょうがないから、賀状を少し離して芸術作品として眺めて楽しむことにしている。

それにしても、自作の年賀状は楽しいものが多い。

家族の写真が添えられているものや、昨年訪れた観光地の写真、自作の川柳、イラストなどなど、個性がにじみ出ている。

久しく合わない友人たちのことを思い出すには、絶好の機会となっている。

今年も、いただいた年賀状を眺めながら、気持ちを新たにする。