ここだけの話と言って聞かされた話を、みんな知っていたなんて経験は誰にでもあるだろう。
ここだけの話と内緒めいて話されたからには、良い話でないことはほぼ間違いない。
「人の口に戸は立てられぬ」というが、悪い話はあっという間に広がる。
マーケティングの世界で’3対33の法則’というものがある。
これは「商品に満足した人は3人に話をし、不満を持った方は33人に話をする」ということである。
一面では、悪いうわさはすぐ広がるが、良い噂はなかなか広がらない、ということを示している。
初期仏教の経典の一つ’法句経’には「人は黙して坐するをそしり、多く語るをそしり、また少し語るをそしる。およそこの世にそしりを受けざるはなし」というのがある。
何かしてもしなくてもどうせいろいろ噂される、と言っているようだ。
SNSの一つであるフェースブックは、友達がスタートで、友達の友達を通じて情報を拡散させる仕組みになっている。
その情報の輪が、あっという間に拡大するのだからおどろきだ。
「人の噂も七十五日」と言われるが、じっと我慢するしかないのかなあと、SNSの時代になっても思うことがある。
法句経には「花の香は風に逆らっては流れない。しかし、善き人の香は、風に逆らっても世に流れる」言葉もある。
流れるなら、良き人の香として流れて欲しいものである。