藤井聡太二冠の活躍で、将棋界が湧いている。
てっきり将棋人口も増えていると思ったら、日本生産性本部の『レジャー白書2020』によれば、2019年の将棋人口は620万人で、前年の680万人から減少している。
将棋と並ぶ知的遊戯の代表格である囲碁は、前年の210万人から230万と微増しているので意外である。
しかし、手軽なゲームとして、広く愛されていることは間違いない。
職場の昼休みなどは、絶好の対局時間となる。対局者を囲んで、野次馬もうるさい。
’岡目八目’で、見物者は先がよく読めるから、対局者の手が緩く見えて、つい口を出したくなる。
結局、『雨宿り助言を言って追ン出され』の古川柳に見られるように、見物の輪から追い出されることになる。
「ヘボ将棋王より飛車をかわいがり」という有名な川柳もあるが、将棋が分からない人でも大まかな意味は理解している。
’へぼ’という言葉は、技術や技芸が劣ること、また、そのさま、である。
最近は、堂々と’へぼ将棋’とうたったゲームソフトまでできている。
「どへぼ」「へぼ」「ふつう」の3ランクがあるそうだ。
下手の考え休むに似たり、と言われるが、プロ棋士は一局で体重が2、3キロ減る人も少なくないそうだ。
昼休みに、脳を休ませているつもりで、かなり酷使しているのかもしれない。