‘ヒトの檻’ながめゴリラの薄笑い

川柳徒然草
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‘ヒトの檻‘が、ロンドン動物園を始め、日本を含めた世界各地の動物園に作られている。
見物人は、その中で写真を撮ったり、外から撮って貰ったりして、結構人気を集めているようだ。


そこでの‘ヒトの説明’は、大部分が「地球上でもっとも狂暴である」的な表現になっている。
多くの生き物を絶滅に追いやったり、将来的に自分たちの住む環境も、今を快適に生きるために平気で破壊する、とも書かれている。

もともと‘檻’は、動物など危害を及ぼす恐れはあるものを、閉じ込めておくための囲いである。
しかし、核シェルターのように、危険から身を守るために自分を外部から隔離する役割も生じている。
社会学者のマックス・ウェーバーは、官僚化が進み形式合理性の論理によって組織が閉鎖化し、単一支配的な傾向が生じることを、「鉄の檻」と表現した。

現代社会において、私たちは社会的なルールや制約に縛られ、自由に生きることができなくなっている。
このような状況において、私たちは自分自身を檻に閉じ込めてしまうことになる。
社会的な制約や不平等、自己中心的な欲望など、人間が社会的に作り出した檻に、自分自身が囚われてしまうのだ。

さらに、私たちは様々なストレスやプレッシャーにさらされている。
また、現代社会にはSNSやマスメディアなど、情報過多な環境が存在し、過剰な情報を受け取ることなどで、心理的なストレスを感じさせられてもいる。
このような状態に追い込まれることによって、私たちは自分自身を守るために心を閉ざし、他人や社会から隔絶された状態に陥ってしまう。
そして、自己中心的な欲望だけを追い、社会的な問題を解決することができなくなってくる。
社会的な問題がますます深刻化し、人類が自滅する可能性さえ高まる。

私たちは自分たちが作り出した社会的な檻から、解放されなければならない。
社会的な問題を解決するために、自己中心的な欲望を超えた行動をとる必要がある。

檻の中のゴリラをみていると、妙な気持ちになる。
ヒトとゴリラ、どちらが本当の‘檻’に入っているのだろうか、と。
類人猿は、結構知能が高いようだが、中にはゴリラでも相当な知能を持つものがいるようだ。
何か考えているような目が、じっとこちらを観察している。
檻の中から人間を観察して、何を思っているのだろうか、気になる。
人間は、ゴリラを観察していると思っているのだが、実はゴリラに観察されているのではないだろうか。

いずれにせよ、私たちは’檻’の中で生きている。
私たちは自分自身を檻から解放し、心を開放することが必要である。

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