たまに一人きりで夕食を摂るときがある。
そんな時は、テレビの前に席を移す。
テレビを相手にしていると、たまに相槌を打ったり、批判したりしている自分に気が付く。
話し声もないところで晩酌するのは、雑踏の中の孤独に似ている。
たとえ相手がテレビでも、話をするということは、精神的にも落ち着けるものだ。
会話は、頭で考えたことを言葉に変換して、誰かに伝えることである。
そして、かえってきた言葉に反応し、考えてまた次の言葉をかえす動きをくりかえす。
無意識のうちに、脳が活性化している。
最近は、会話をするロボットも急速に進化しており、会話のパターンもかなり増えているようだ。
ペットロボットと会話をすると、言葉を発する機会が増えるため、脳の活性化による認知症予防や進行緩和も期待できると言われている。
人と賢く話せるロボットを作るには、人の声を認識し、話の内容を理解したうえで、次に何を話すのかを考える技術が必要になる。
つまり、「音声認識」「言語理解」「対話管理」「応答生成」「音声合成」という5つ機能である。
うまく相づちを打つことや、相手の語尾に言葉を重ねて会話に連続性を持たせることは、技術的に相当難しいようだ。
人間と仲よくなれるロボットをつくるカギは、「会話を自然にコントロールする技術の進歩」にあるらしい。
人間の話し相手は、ありがたいものだ。