真っすぐに生きるといつも気がもめる

この記事は約2分で読めます。

『老子』に「曲則全」(曲がれば即ちまったし)と言う言葉がある。

曲がった木は実用にならない。

そのため、伐採を免れ樹木としての生を全うすることができる、という意味である。

『老子』の哲学を、もつとも端的に語っている言葉のひとつとされている。

孔子は『論語』で、忠孝を基本とした真っすぐな生き方を進めた。

しかし、真っすぐな生き方には限界がある。

まっすぐに進もうとする人は、ぶつからないように気を使い、緊張して無駄な心身エネルギーを使いながら、ストレスを溜め込んでいく。

これに対し、老子はもっと自由な生き方を考えている。

真っ直ぐな木として成長するよりも、無為自然に曲がった木で良いといっている。

真っすぐに、自分の意見を無理やり押し通すようなやり方は、衝突ばかり起こす。

他人の意見も尊重し、少しは曲げながら折り合いをつけ妥協すれば、相手を立てることができ、自分も活かしてもらえる。

曲線は多様であり、数学的に広く見れば、直線も曲線に含まれる。

まっすぐな生き方も、 時に応じて柔軟性を持つことが大切なのだ。

老子は、そんな自由な生き方を提唱している。

だれも見向きもしないような雑草は、自分勝手に花を咲かせ実を付けて種を残してゆく。

融通無碍という言葉があるが、自由自在でありありのままで、したたかに強く生きる方が自然の成り行きだと思える。

タイトルとURLをコピーしました