かがみは不思議な力を持っている。
古代の遺跡から出てくるかがみは、いずれも祭祀に利用されて、神と人との交信の役割を持っていたらしい。
多くの神社のご神体も、鏡である。
古代から人は、鏡に神秘的な力を感じているのだろう。
名古屋大学が、1人の食事でも鏡の前で食べるとおいしく感じる、という実験成果を発表した。
鏡を用いることで、幅広い年齢層の食事の質を高める可能性があるとも指摘している。
たとえ自分自身であっても、食事中に人の存在を感じるだけで「おいしさ」が高まるということだ。
孤食になりがちな現代人の、食生活改善につながるものと期待されている。
1日数回、被験者に鏡に向かって「お前は誰だ」と言わせる。
これを毎日行っていると、約3ヶ月で自我が崩壊し、自分が誰だかわからなくなってしまうという。
’ゲシュタルト崩壊’という。
身近な例でいえば、漢字をじっと見ていたら、ばらばらになってきて、意味が分からなくなってしまう状態とおなじ理由だ。
ある大型店では、従業員が売り場への出入り口に鏡を置いている。
そこには’笑顔製造機’と書かれている。
売り場に出る従業員は、その鏡に向かってニコッと笑顔を作り、そのまま売り場に出る。
ニコニコ顔のまま、売り場に出ていくのだ。
そこの店に接客態度は、大変評判が良い。
やはり、鏡は不思議な力を持っているようだ。