ミニ碁盤持って碁敵お見舞いに

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入院見舞いは、なかなか気を遣う。

まだ十分に回復してないときは、お菓子とか花を持参し、多少言葉を交わしたくらいで済む。

しかし、回復期のお見舞いとなると、相手は退屈しきっており、時間をつぶす相手をすることが見舞客に一番期待されていることだから、相応の工夫が必要だ。

健康な時は、まあ一杯と言って焼酎でも飲みながら世間話を始めると話題があちこちに飛躍し、充分時間つぶしができる。

しかし、病院にアルコール類を持参するわけにもいかず、まんじゅうを食べながら時間をつぶすのはつらい。

このような時に、入院患者が囲碁や将棋好きなら、その相手をすることは最高の見舞いになる。

ということで、ミニ碁盤を持ち込んだ見舞客と早速、病院の面会室で対局することになる。

退屈しきっている他の入院患者も、一人二人と寄ってきて、昔の夏の夜の縁台状態だ。

「下手の考え休むに似たり」なんて言われたって、入院患者には時間が十分ある。

高齢の見舞客も、時間つぶしを兼ねている場合が多いので、十分な時間を持っている。

かくして、対局は病院の制限時間いっぱいまで続けられる。

入院患者は、見舞いにもらったミニ碁盤で、入院期間中ずっと囲碁の研究に没頭し、「入院中三目ほどは腕を上げ」ということになる。

囲碁によって気力が充実されるのだから、碁敵の見舞いは相当な効果があるはずである。