音信不通良い便りだと思いたい

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「便りが無いのは良い便り」ということわざがある。

離れて暮らす肉親や知人から何も便りがない時に、問題があれば何か言ってくるはずだから、手紙や知らせが何もないことは、むしろ無事に過ごしている証拠に違いないと勝手に思い込む。

そして、無理に安心しようとして使われる。

音信不通も連絡がこないことだが、 ‘音信’という言葉が入っている関係で、携帯電話による場面が頭に浮かべる人が多いようだ。

この言葉は、明治36年(1903年)国木田独歩の「非凡なる凡人」という小説の中で使われたのが最初であり、比較的新しい用語だ。

ところで、英語でも‘ニュースが無いのは、良いニュースだ’だと決め込んでいるが、ニュースというのは悪い内容が圧倒的に多い。

新聞やテレビのニュースは事件や事故、天変地異など、ほとんどバッドニュースで占められている。

心理学にマム効果(沈黙効果)と言われる、’人は悪い知らせを伝えない傾向にある’という法則 がある。

情報の送り手が、受け手にとって不快な知らせを伝達することを避けようとする傾向である。

また、情報の受け手は、相手のことを知らなければ知らないほど、悪い方向に考えてしまうという傾向にあることも分かっている。

人は、真実を伝えることで起こる気まずさを避けるために、相手に対して虚偽の報告をするという優しさを持っているが、それがうまく機能してないようだ。